COBYの修理に関して

2014/03/28

以前に記載した『COBY NBPC1023を修理』の記事を見られた
来客様(多分、福岡県の方)からお問い合わせがありましたので、質問内容と一般的な回答をこちらに記載します。
お問い合わせの回答は、メールにて返答していますが、こちらはもう少し詳しい内容を記載しています。

■質問内容(抜粋)
COBY製PC等でパスワードが判らなくなり前に進めなくなって困ってます。
パソコン工房に持って行き見てもらいましたが国内のPCとは少し違うようで解除出来ませんでした。

■結論(先に記載しています)
BIOSにパスワードがかかっている場合は、基本的にはメーカーに出すしかありません。
当方が持っている技術では、資料と機材が揃えば解読が可能なのですが、費用とリスクが高い為にお客様には勧めていません。
COBYのサポートセンターに連絡することをお勧めします。

■気になる点
メーカーで設計開発もしていた為、修理チームが治せない物が回ってくることがありましたが、実は困る問題点の書き方です。
質問がざっくりすぎます。出来るだけ詳しく事実のみを記載しましょう。パスワードが問われる所が何箇所かある為、お客様に
再度問題点を聞くことになりますので、これだけでメーカーだと1週間以上のタイムロスが出ます。

■パスワードが発生する所
・BIOSの内容を変更時に必要なパスワード
・パソコンを立ち上げ時にBIOSが起動するだけで必要なパスワード
・OSに必要なパスワード
※BIOSはパソコン自体に元々入っているシステムだと思ってください。起動時はBIOS→OSの順番で立ち上がります。そのため、OS(Windows)が立ち上がる前にパスワードが出る場合はBIOSにパスワードがかかっています。
※OSはWidowsなどのオペレーションシステムのことです。

■推測する問題点
パソコン工房で解除できないと言われたのであれば、BIOSにパスワードがかかっていると推測できます。
ただし、確率はかなり低そうですが、Windowsが立ち上がった後にパスワードが出るようであればWindowsを再インストール(再セットアップ)すればパスワードは消えます。

■BIOSのパスワードの消し方に関して(専門的なこと)
BIOSが書かれているICは2000年頃を境にBIOSのパスワードが破れないように仕様が変わってきています。
昔のものはEEPROMに記載されていた為、長時間電気を供給しないとBIOSが初期化されていたため、例えば電池を抜いたり、ラインをショートさせてリセットする方法などがありましたが、
現在のものは対策されている為、この方法ではBIOSの初期化は出来ません。
ただし、データーシートが公開されているICであれば初期化できる可能性はあります。
I2Cの通信専用の冶具を制作し、通信ラインをバイアスして送って、無理やりリセット信号を送るか、BIOSのイメージを書き込む方法です。
電源ラインも別途バイアスして送らないといけません。企業で設計開発をしていたような人であれば何とかなるレベルですが、高い値段の機材が問題です。
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昔作った冶具の写真がありましたが、こういうのを作って、それをパソコン内のBIOSが書かれているICに接続して、BIOSの内容を書き換えたり、リセット信号を送ったりします。

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